全国昆曲優秀青年演員展演は一通り観ました。
私は唯牡丹亭が好きという程度の愛好家なので詳しくは分かりませんが、湖南省昆劇団のレベルの高さに驚きました。
江蘇省昆劇院は張継青さんの出身劇団ですから思った通りのレベルでした。
全般的にも皆さんかなりの技量を持っていると思われます。
牡丹亭に関しては既に張継青さんという昆劇女王の演技を電影版並びに舞台版を観ているので、技量の違いが明らかで仕方が無いとかんじました。
皆さんまだ若く本来の杜麗娘に近く綺麗ですが、演技がまだ自分の物に成りきっていない様で、特に歌の声が硬いように思います。殆んどの方が発声に滑らかさが感じませんでした。
昆劇は各劇団に独自の振り付けが有るように思われ以前から観ていた牡丹亭に違いを感じてましたが、今回の青年演員の演技を観て、同じ劇団ながら上の年代の方の振り付けと違う振り付けで演じているのを観るにつけ、世界遺産に登録されても、昆劇という形態は保ちつつも内容が変化して行き、次の年代の方々が演じたとき又違った物を見せられるのかと思うとちょっと寂しく思います。
これは日本の能が江戸時代以前はかなり変化していたそうですが、明治以降変化が少なく近世確立された事と対象的です。
昆劇は中国人のものですから、外からとやかく言うつじあいは無いのですが、たとえ愛好者が少なくとも、現在の昆劇形態全てを国が保護しこれ以上変化しないよう努めるべきと思います。
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